突如、呼吸困難を訴えて、浅く速い呼吸運動を行い、血中の酸素量が著しく増えて二酸化炭素とのバランスを崩した状態である。
過緊張や不安などの心理的要因によって引き起こされるとされている。
症状
通常の呼吸では、血中の酸素と二酸化炭素のバランスは中和された状態で保たれている。
しかし、過緊張や、不安に陥って、胸で行うテンポの速い呼吸になると、血中の酸素量が増えすぎて血液はバランスを崩し、息苦しくなる、顔面下部・口の周囲・手足がしびれる、頭がぼうっとするなどの症状があらわれる。
もし、肺機能の低下による呼吸困難であれば、酸素の提供ができなくなり、死に至ることもあるが、この過呼吸では、息苦しさで一時的なパニックに陥ることはあっても、そのまま死ぬことはない。
応急手当て
過呼吸を起こしている人の衣服を緩め、楽な姿勢で安静を保ちながら、ビニール袋を口に当てる。
自分の呼気を吸わせて血中の酸素と二酸化炭素のバランスを整えれば、ほとんどの場合、症状は緩和される。
周囲の者は落ち着いて対応し、過緊張や不安などの心理的要因を取り除くような心づかいで介抱すること。
この過呼吸は女性に起こりやすく、また、一度なると「また陥るのでは」という不安のために、同じ条件・環境下で再発することも多い。